2012年12月27日木曜日

科学を熱く語れ!:37th TEDee @ Kyoto Univ.

こんにちは!もう今年度最後のTEDeeになってしまいました、まっきーです。

今回のテーマは「科学について熱く語れ!」。短い動画でかつ分かりやすい内容です。
ご覧ください!



Our scientists and engineers are the ones that are tackling our grandest challenges, [but] if we don't know about it and understand it, then the work isn't done.


●動画の内容

研究に没頭するのみでなく、自らの研究を相手に説明することも科学者の仕事です。
  ・jargon (専門用語) や相手を圧倒するような文字の多用を避ける
  ・内容のアイディアに関しては妥協しない
  ・日常と研究のつながりを意識しながら
  ・熱意を込めて話す
以上を満たすことで、相手の理解と関心を促す、と力説します。

彼女の要旨を公式で示すと、以下のようになります。



おまけ:
研究のアイディアを簡略化しすぎた、悪いプレゼンの例として以下が分かりやすいかと思います笑



(この出演者のおじさまは、実はTEDスピーカーの物理学者Brian Greeneさんです。
本人の真面目なTEDスピーチをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
http://www.ted.com/talks/brian_greene_on_string_theory.html)



●ディスカッションの内容

二つのディスカッショングループを作り各自話を進めていきましたが、
両グループとも「スピーカーの示した公式は間違っている」と指摘しました笑

一つ目はpassionの重要性がほとんど言及されていないことです。
もしpassionがゼロである場合、掛け算になっているのでunderstanding = 0になってしまいますよね…。
そして二つ目はこれは単純な数学のミスですが、"relevance"の数値が高ければ本来"understanding"も高まるはずなのに、スピーカーの公式に従えばunderstandingが低くなってしまうことです。
スピーカーさんは皮肉にも"make your presentation as simple as possible, but do not make it too simple." を自分のプレゼンでしてしまった模様です…汗

また私たちのグループでは、大学教授の仕事は研究のみであるべきか、教鞭をとることや一般市民に自己の研究を広めることも仕事のうちであるべきか、という話をしました。
研究に没頭したい教授や、教えることにも熱い教授の具体例を挙げた後に、教授によってどのように大学で貢献していきたいかを選択できるような制度があっても良いのかもしれない、という結論に至りました。

因みに立命では2年間のonシーズンと1年間のoffシーズンがあるそうで、2年は教鞭をとり、1年は研究に明け暮れることができるような仕組みになっているそうです。
京大はどうなんでしょうね。学部によってかなり違うような気がしますが。


―――

今年も皆様に大変お世話になりました。
来年もTEDeeは「お試しTEDee」を復活させたり、同志社でもTEDeeを始めるなど、新たな試みをたくさんしていきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願い致します!

来週はTEDee京大はお休みです。次回は、再来週の1月9日(水)になるかと思います。
では皆さん良いお年を!

2012年12月20日木曜日

*20th*TEDee@Uji 写真の力(@_@)

みなさんこんばんは!

TEDee@Uji担当の西村哲(あきら)です。


気付けば年の瀬ですね(*^^)v

皆さんにとっての2012年はどうだったでしょうか?
思い返せば、このTEDee@Ujiの活動が始まったのも今年からでした。
今回がTEDee@Ujiの記念すべき20回目(!)ということもあり、
約半年間、こうして続けられていることを大変嬉しく思います(*^_^*)

来年もばりばりと運営していくので、このブログを読んでくださっている

そこのあなたの参加をお待ちしていますよ(@^^)/~~~

さてさて、今年最後となるTEDee@Ujiの活動について報告します。

今日の動画はとてもimpressiveで20回目にふさわしい内容だったと思います;)

Becci Manson: (Re)touching lives through photos
(写真を通して、人生に(もう一度)触れる)



カメラが発明されたのは19世紀前半であるとされています。

”目に見えるこの風景を残したい”という人類の切なる願いが達成された瞬間でした。

どれだけカメラの技術が進歩しようと、その根本となる想いは変わりません。


今日の動画はそんなお話です。

【大まかな流れ】
写真加工家であるスピーカーの本業は、「リアルな被写体をよりリアルに見せる」ことです。
質感を強調することで、本物よりも本物に見せる写真を作ったり、実際にはあり得ない状態を写真に切り取ったり、その活動は写真を中心として多岐に渡ります。

ご存じの通り、2011年3月11日、突如として日本を未曾有の大災害が襲いました。

テレビやインターネットを通じて、被災した東北地方の様子を目の当たりにした彼女は、いてもたってもいられなくなり、自らの意志で被災地でのボランティア活動を始めます。

彼女がボランティア活動を行った大船渡は漁師の街でした。そのため津波の被害も大きく、多くの支援が必要でした。ボランティア活動を続ける中で、彼女は自分にしかできない何かを模索し始めます。避難所に集められる、持ち主不明の写真を見て、彼女はあることをひらめきます。

”これを復元して持ち主の元へ返そう”
膨大な量の写真を復元するために、世界中の写真加工家の助けが必要でした。そこで、彼女はSNSを通じて募集をかけると、すぐに多くの支援の手が差し伸べられました。
そうしてできたグループでの活動で、多くの写真を復元し、それが持ち主の元へ返っていきます。そうした
過程で彼女が見つけたものとは…

動画の最後の手紙の中で出てくるセリフが非常に印象的でした(*^_^*)

”Across the globe, throughout the ages, our basic needs are just the same, aren't they?”
(住んでいる地域や年齢に関係なく、私たちが本当に必要としていることって一緒よね?)

【Discussion】 for 45 min
今回のテーマは写真にまつわる話や、震災にまつわる話など、様々なトピックで議論することができました。

我々のグループではいつものように、
What's your impression of this movie?(動画の印象は?)
という質問から、感じたことや考えたことをお互いにシェアしました。
その中で出てきた意見として、「これだけ多くの海外の人が日本をサポートしようとしてくれてる姿勢に素直に感動した。」「彼女の写真を修理する仕事は、肉体的に怪我をするだけでなく、精神的に大きくダメージを受けた人を支えたことだと思う。そうした考えを持った彼女が素晴らしい。」と参加してくれた方の多くがその活動内容を称えていました。

また更なる支援を拡散する方法に使われたのが、まさしくこの Facebook であったことから、ソーシャルメディアの役割や重要性を再認識させられました。SNSを利用することでこうした支援の手を募ることができるようになったことで、様々なmovementを起こすことができるようになったことはTEDeeの運営をしていて常々感じることです(^v^)

また今日のトピックであった”power of photos"に関連して、

Which situation do you feel the power of photos?(どういうときに写真の良さを実感するか? 
という質問に対しては、「自分の幼少期の姿を見るとき」という意見が多くありました。
それを見ながら、母親に「やんちゃばかりする子だったのよ」などと、子育ての苦労話を聞かされるのはむずがゆいような不思議な気持ちになるものですが、写真がなかった時代には起こり得なかった状況を写真のおかげで両親と共有できていることに気付かされました。
「自分の幼少期の姿を見て、可愛いと思ってしまうのは少し奇妙な気分になったりするけど、それも写真の力だ」という意見も聞かれました。

その流れから、
When do you feel like taking photos?(いつ写真が撮りたくなる?)という質問が参加者から出されました。
僕が「感情が大きく変化し、また見返したいと思った時に撮ると考えるから、例えば何気なくディスカッションしてる場所などは撮らないかな」という話をすると、「逆に今、当然のように見ている景色が、何年後かには思い出になり、そのときに見返したくなるのでは?」と言われました。
みなさんはどういうときに写真を撮りますか?

最後に、

What's the merit and demerit of MOVIES compared with  PHOTOS??(写真と動画の比較:どっちが優れている?)
という質問をしました。出てきた意見をざっとまとめるとこんな感じです。
Movie: 
merit | sound とmovementが記録されている点で優れている。
demerit | 情報が多すぎるため、見る側がpassiveになりがち。
Photo:
merit | 一瞬を切り取るため、見返したときに様々な記憶が一度に呼び起される。
demerit | 撮られていることを意識するため、casualな様子が見れなかったりする。

特に面白かったのが、「movieはpassiveでphotoはmassiveである」という意見でした。写真は見る側に「なぜこの子は笑っているのだろう?」「ここはどこだろう?」など様々な想像をさせます。そうして能動的に写真を読み取ろうとする過程で、自然と色々な記憶が結びつき、受動的に動画を見るよりも大きな感動をもたらすことがあるのかもしれません。

【Presentation】 for 10min
今回は2グループに分けたこともあり、久しぶりにプレゼンをしてもらいました。
もう一つのグループは写真の役割、写真の力について話し合ったようです。

中でも写真の力についてプレゼンしてくれたときに興味深かったのが、
・戦場で撮られた写真などは戦争の惨状を伝えるだけでなく、平和への祈りを届けることも可能であり、メッセージ性の高い情報を伝える力がある。
・自分の経験について、写真を見せるだけで言語の壁を超えて伝えることができる。
という部分でした。まさにスピーカーが動画の最後に言っていたセリフにつながると思います。
たかが一枚の紙に込められた人類共通の感情を想起されたときに、写真の持つ力を改めて感じることと思います。

最後にこの言葉を。
Seeing is Believing (百聞は一見に如かず)

TEDeeKyotoの活動もまずは来てみないとわかんないですよ(@^^)/~~~

といった辺りで、今回のレポートは終わらせていただきます。
と同時に、今年のTEDee@Ujiの活動は今回で終わりです。
今年来てくださった方は本当にありがとうございました。
来年も皆様の参加をお待ちしておりますm(__)m

**** We wish your Merry Christmas and Happy New year :)) ****


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創造性を育む:36th TEDee @京大吉田

Eat, Pray, Love – Elizabeth Gilbert, 2007.jpg

こんにちは。まっきーです!
今週のTEDee京大は、8人で創造性について話しました。
京大TEDee支部長が長旅から帰国して復活したので、久々に京大TEDeeらしい空気が戻ってきました笑



 

動画の内容●

スピーカーはミリオンセラー"Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything Across Italy, India and Indonesia"の著者エリザベス・ギルバートさんです。
本作品がミリオンセラーを記録し大成功を収めた後、今後の作家人生でより成功できるのかという精神的不安を吐露し、「想像力を必要とする人はいかにして精神安定を図るべきか」を語ります。

彼女の提案は一言でいえば「ルネサンス前への復帰」。
ルネサンス・ヒューマニズムが台頭する前まで、ギリシアやローマでは、創造性(artistry)は人から来るものではなく、神から与えられるものと考えられていました。
特にローマでは、特定の人を"genius"と呼ぶではなく「才能」そのものを"genius"と呼んでおり、人がそれぞれの"genius"を持っているという前提をとっていました。

今日の芸術家は才能のなさに苦悩し自分を責め、自らの手で命を絶つこともあります。
しかし、自分が天賦の才を持たない自分を責めるのではなく、才能は誰にでももたらされるものであり、ただそれを持つことのみが必要である、とモノの見方を変えるだけで心に平静さがもたらされる、というのが彼女の提案です。

 “If you just believed that they [artistry] were on loan to you from some unimaginable source for some exquisite portion of your life to be passed along when you’re finished … it starts to change everything.” — Elizabeth Gilbert




●ディスカッションの内容●

私たちのグループはスピーカーの意見に賛同しませんでした。

主な理由は、確かにプレッシャーを軽くするために彼女の提案は非常に有効であることに議論はなかったのですが、神や人間を超える主体からアイディアが与えられるという外部的なものに依存したくないからです。
アイディアを生み出すのは結局自分自身であるし、根拠が薄いまま楽観的になることは難しい、というところでしょうか。つまり「外部的なものではなく自分を信じたい」の一言に尽きるのでしょう。

彼女の提案を受け入れないとすれば、どのようにして楽観的になるべきかを話し合ったところ、様々な意見が出ました。

因みにまっきーは、ものを食べながら考えるための筋道を考え、その後泳いだりシャワーを浴びたりしながら考えることを考え、それでもダメな場合は一日寝かせます。笑

またアイディアを閃くことに関して、セレンディピティーを熱く語りました笑

セレンディピティー(serendipity)とは、運よく求めずして思わぬ発見をする能力のことだそうです。
能力(ability)であるため、「経験、知識の蓄積によってserendipityを高めることは可能なのではないか」と思う一方で、
「運よく」「求めずして」「思わぬ」発見をすることから、「この能力は努力によって高めるような類のものではないのではないか」という話になり、議論は泥沼化します。

結局、人によっても辞書によっても定義が違ったので、

未だにserendipityの意味をよく分かっていません。
どなたかぜひご教示願います。

余談ですが、serendipityには対義語があるそうで…。

それもzemblanity。
これは意図的に不幸な発見をする能力 "unpleasant unsurprise"、だそうです。
そんな能力あっても困りますよね。就活で瞬時に落とされそうです。


もう一方のグループはスピーカーの意見にどちらかと言えば賛同しているようでした。

彼女のアイディアは「私たちのマインドセットを転換させ、よりリラックスかつ謙虚にさせてくれる」という意見もありました。
また謙虚さは行動に表れることから日本人の謙虚さについてや、茶道・剣道などの日本文化の作法について、封建制度についてなど、多岐にわたる議論をしていたようでした笑



来週は2012年最後のTEDee京大になります!
以下のイベントリンクから、ぜひご参加ください。テーマはずばり、「オタクらしく話せ」です。
https://www.facebook.com/events/555504407796395/?context=create



2012年12月13日木曜日

愛とは2:35th TEDee @ 京大吉田



こんにちは。おかげさまで体調回復しました、まっきーです。
今回も、33rd TEDee同様、「愛」について語りました!

Helen Fisher: The brain in love


"Love is in us. It's deeply embedded in the brain.  Our challenge is to understand each other." - Helen Fisher


●動画の内容●


人類学者で性差と人間の感情の進化を専門とするヘレン・フィッシャーさんが、「恋する脳」について語ります。


まず「恋愛は強迫観念である」という命題を、3つの実験を具体例として引き合いに出しながら根拠づけます。

一つ目に、愛を勝ち取ることができない場合、人間の脳システムにおいて欲求、切望、執着がより強くなります。
2つ目に、人は恋愛をするとき損得計算を行います。
そして3つ目に、人は恋愛をする際に特定の人との深いつながりを求めます。

この実験を通して得られる教訓は、まず恋愛とは求愛の欲動つまりは恒常性不均衡であること、そして再発を伴う中毒性の強いものであることです。


また、フィッシャー氏は現在「なぜ人はほかの人でなく特定の人を好きになるのか。二つの個性が良い関係を構築する方法は何か」という謎を解明すべく研究に没頭されています。



●ディスカッションの内容●


私たちのグループでは、まず科学を通して愛について理解を深めることは可能かどうかを話し合いました。フィッシャー氏はホルモン量で愛を理解することに尽力しており、「そのような生物学的観点に対してやや違和感がある」という意見が聞かれました。
つまり、恋愛感情とホルモン量やMRIには何かしらの関係を導くことは可能であったとしても、恋愛感情の表出原因そのものを探ることは不可能なのではないか、ということです。
また「そもそも彼女の研究は、人間の感情から起こりうる当然の結果を数値により補強しているにすぎず、目新しい発見ではない」という辛辣な意見もありました。笑

そして科学と対照をなす文学における愛の描かれ方についても話しました。
フィッシャー氏は、科学者でありながら非数値的なアプローチ、つまり小説や詩を多用することも好むように、愛の投射は小説により様々です。
例えば夏目漱石の「こころ」では自我がある恋愛をしているのに対し、村上春樹の「ノルウェーの森」では自我がないため「自分はどこにいるのだろう」と自分の恋愛のベクトルが分からなくなってしまっています。どのような恋愛関係が望ましいかは人それぞれだとは思いますが。

また愛の育み方についても議論しました。
恋愛感情ありきのお付き合いも勿論ありですが、それは奇跡に近いという現実があります。
それに対し、実際お見合いで共に生活をしてはじめて相手のことを理解し、愛を育む選択も可能です。
実際お見合いと恋愛で結婚したカップルのうち、前者の方が離婚率が低いという面白い調査もあります。

もう一つのグループでは、友情と恋愛の違いはなにか等について話し合っていました。

印象に残ったのは、恋愛の価値基準のどれに重きを置くかを、バナナをとってくるゴリラで例えた話です。
バナナを一度に二つ食べることが趣味の雌ゴリラが、同様の趣味をもつ雄ゴリラをみつけるのですが、ある日その雄ゴリラが4つでなく5つのバナナを持ってきてしまい、「余った1本のバナナを俺が食べる」と提案する賢いゴリラが出てきた場合、雌ゴリラは価値観の一致する(同趣味をもつ)相手を選ぶべきか、はたまた自分に勝る判断能力をもつ相手を選ぶべきか。
プレゼンされた方は、前者の雌のためにバナナを持ってきてくれる優しくて価値観の合うゴリラを選ばれるとおっしゃっていました。


結局色々話しましたが、恋愛はよくわかりません。

個人的には短期的には引き算的、長期的には足し算的な恋愛ができればいいと思います。
しかしどんな形で恋愛をするのか、これは恋愛の価値観によってさまざまだと思いますが、その価値観すらどこから来るのでしょうか。
これ以上書くともはや個人のブログと化するので、このあたりでやめることにします笑


来週も京大TEDeeあります!

"Eat, Pray, Love" を書かれた作家さんのお話です:)
※すみません、最近なぜか愛が絡む話題が多くなってる気がします。
 切実に動画募集中です。

以下からイベント参加の申請をお願いいたします。

https://www.facebook.com/groups/210627069009554/

2012年12月12日水曜日

23rd 朝TEDee@Antenna Cafe 丸太町


こんにちは、栗原が朝活の模様をお伝えします。本日の動画はこちらです。

 

Why videos go viral(バイラルビデオが生まれるメカニズム)

 

この動画では、You Tubeのトレンドマネージャーであるスピーカーが、流行の動画に共通する要素を解説しています。

話者によると、共通する要素は3つあります。SNSなどによって動画を広めてくれる流行仕掛人、優れたレスポンスやパロディーが生み出されるような環境、そして動画そのものの予想外さです。

これらの要素は人を選びません。つまり、誰もが、投稿した動画から旋風を巻き起こすことが出来る時代が到来しつつあるということです。これこそ、未来のエンターテイメントの形である、とスピーカーは締めくくっています。

 

ディスカッションでは主に、You Tubeがもたらしたものについて考えました。

 

まずは、よい面から。

皆にチャンスが与えられているということや、双交通のエンターテイメントであることが挙げられました。また、大掛かりな準備を要すことなく多くの人々に見てもらえるということも挙がりました(ピアノの演奏を聴いてもらう場合でも、ピアノを動かさなくてすみますよね)。他にもたくさんあると思います。

僕自身は、よい面は次の動画に凝縮されていると感じています。

Eric Whitacre's Virtual Choir 2.0, 'Sleep'

 

次は悪い面。

誹謗中傷するものや著作権を侵害しているものが一定数存在している、ということが挙げられました。正直、悪い面はそれほど見当たりませんでした。

 

SNSYou Tubeなどの登場に伴い、現代はエンターテイメントの転換期となっていると思います。このことについて再考させられる動画でした。

 

今日、京都では雪が観測されました。いっそう寒くなっていますので、体調には十分ご注意ください。You Tubeに投稿されている寒さ対策の方法を実践してもいいかもしれませんね笑。

今年の朝TEDeeは今回が最後です泣
また来年お会いしましょう!


 

2012年12月7日金曜日

34th TEDee @ Kyoto Univ.

こんにちは。先週大会があってから、体調崩して、2週間ほどTEDee行けていないまっきーです><
今回もなおやくんにブログを書いて頂きました。ありがとうございます。


今回のTED動画はおなじみ、ダン・ピンクさんの「やる気に関する驚きの科学」。
あのアル・ゴアのスピーチライターのピンクさんのトークです。



ダニエル・ピンク氏は法科大学院を卒業後、方向転換をしビジネスマネージメントを専門しています。

彼はまず、"Candle Problem"を取り上げます。これは1945年に心理学者カール氏によって行われた実験です。
被験者は画鋲のはいった箱とロウソクを手渡され、壁にロウソクを接地するように指示されます。
最初は、画鋲でロウソクを壁に固定しようとしたり、ロウで引っ付けようとしたり、試行錯誤しますがなかなかうまくいきません。
しかし、10分程すると、箱から画鋲を取り出して、それを画鋲で壁に固定し、その上にロウソクを置くという解決法に至ります。
カール氏は被験者を二つのグループに分け実験します。
①「平均時間の調査」という説明を受けたグループ
②「短時間で出来たら報酬が貰える」という説明を受けたグループ
②の方が良いタイムでこの問題を解決すると思うのが一般的ですが、実は①の方が平均で約3分半も早く解決するのです。
ここで、画鋲をあらかじめ箱から取り出した状態で実験を行うと、②の方が早く解決するようになります。
このことから言えるのは、インセンティブは想像力を劣化させ、思考の幅を狭めるという事です。

ピンク氏は2種類のモチベーションについて語ります。
Intrinsic Motivators - 本質的な関心や興味
Extrinsic Motivators - インセンティブ、報酬や罰
Extrinsic Motivatorを与えられる事によって、Intrinsic Motivationが低下したのです。インセンティブでモチベーションを持ち上げようとしたのに、それ以上に関心や興味が低下すると、結果的にパフォーマンスに悪影響を及ぼすこととなるのです。
彼は"Candle Problem"に似た、ゲームを利用した実験を提示し、同様な結果が得られたことを示します。
これは、どのようにビジネスマネージメントに応用できるのでしょうか?
彼は、被雇用者のAutonomy(=自治の権利)が必要であると主張します。
ここでいうAutonomyとは雇用時間内で、被雇用者が自由に仕事をすることを意味します。
Autonomyを与えると、被雇用者は結果を気にする事無く、自分の好きな内容のものに取り組んだり研究したりして、そこから発見やイノベーションが生まれることが多いのです。つまりIntrinsic Motivationを見つけるきっかけ作りーSelf-directionーを大切にしなければいけないです。
欧州ソフトウェア会社Atlassian、メガIT企業Googleなどがこの方法を取り入れ、仕事時間の20%をAutonomyに割り振られています。
50%の発見やプロジェクトがこの20%の時間から生まれたものなのです。
Googleのフリーメール、Gmailが出来たのもAutonomyのおかげだそうです。
(日本の企業では、東レが有名ですね)
Intrinsic Motivationは協力なパワーを持っています。

このようなビジネスモデルは理想的なのでしょうか?
そんなことはありません。
EncartaというMicrosoftが出資して造られたオンライン百科事典があります。プロフェッショナルを雇い、相当の報酬を支払っていました。
しかし、知っての通りボランティアの書き込みで成り立つWikipediaが、Encartaに圧勝します。Intrinsic Motivationの勝利です。

最後にまとめとして、ビジネス界が知らず、科学が知っていることを三つ上げます。
1:報酬は限定的なケースでしか有効でない。
2:報酬は想像力を低下させる。
3:Intrinsic Motivationこそが生産性への鍵である。


―――

彼のプレゼンは全体として理論性、一貫性があり、聞き取りやすく印象的でした。
しかし、スライドを利用し視覚的な情報提示がもっとあればいいという指摘もありました。
また実験にも偏りがあるように感じる人がいたようです。
インセンティブがもっと多かったらどうなるのか?人格は影響するのか?
ういう心理が働いてそのような結果になったのか?など謎の部分が多いと感じました。
そもそも、インセンティブとは何かという事について話し合いました。
例えば、自己満足、自己実現欲、他人の為になりたいという気持ち。これらはextrinsic motivationなのでしょうか?
外的要因による影響が内在的である場合ー例えば手術などーではこのようにモチベーションを二元化してもいいのでしょうか?また、そもそも、intrinsic motivationとは何なのか?そしてどうやって見出だせる、見つけ出せるかに着いても議論しました。Intrinsic motivationは生まれつき持っている好奇心のような者で、幼心に戻る事によって見つけ出せるのではという意見がありました。
生産性を上げるかどうかは、場合によるとしか言いようがないという点で同意しました。
例えば、皿洗いのバイトでintrinsic motivationを見出だすのは難しいと思います。
日本の教育につても話し合いました。
日本では、結果や成績を重視するため想像力を育成する様な教育が行われていないと言う点で、"Candle Problem"に共通する点があるといえます。
以前の京大TEDeeの"Barry Schwartz: The Loss of Wisdom"でも、インセンティブの是非について深く議論しましたが、今回はビジネスマネージメントといった新しい切片で同じ問題を見つめ直すことが出来てたと思います。このテーマは何回話しても色んな意見が飛び交うので面白いですね。


―――

来週もTEDee @京大あります!
以下のイベントリンクから、参加表明して頂ければ幸いです!

https://www.facebook.com/events/527255973965813/

2012年12月6日木曜日

19th TEDee@Uji "言い訳" " 情熱" "興味"

こんばんは、TEDee@Uji担当の久保です(・ε・)!

あえて始めに書きましょう、、、新しく参加されたい方、ホントニお気軽にお越しください!

一回来たけども、なかなか時間がなくて来れない方も、時間ができしだい是非またお越しください!

と、宣伝はここまで。


今日の19thTEDee@Ujiの報告をします!
参加者8名、4人×2グループ。


_・)ノ 今日の動画はこれ↓

Larry Smith: Why you will fail to have a great career (なぜ素晴らしいキャリアをつかむことができないのか)


Main topicは"excuse(言い訳)","passion(情熱)","interest(興味)"。


目標を達成できないのはなぜだろう?
やれなかったから?or やらなかったから?or Anything else?


【動画内容】
カナダの経済学教授ラリー・スミスによる、率直でいくぶん挑発的ともとれる強烈なプレゼン。
立派なキャリアを追うことができない人間は、「できない言い訳&行動しない言い訳&情熱を探さない言い訳」を創造的に次々と生み出す。
情熱を追い求めて結局失敗すればバカみたいにみえる、勇気がない、挑戦するのが怖い、といって情熱を追い求めない人が多い。
そんな人々は、スティーブジョブスの教訓的な動画をなんど見ようが結局ダメ。
本当に追求すべきは、interest(興味)のあるものではなく、passion(情熱)をもてるものである。
暖かくて曖昧な人間関係を盾にして、本当の自分がありたい姿を望まないのですか?

【ディスカッション内容】for 45min
大きな流れは3つでした。
①この動画についてどう思いましたか?
②昔の夢は何ですか?達成していないとすれば、それはYou couldn't(やなかった)のですか?You didn't(やなかった)のですか?
③passionとinterestの定義、違い、共通点は何ですか?

①について
Aさん「動画をみると過去の自分の経験を思い出してしまって、少し不安な気持ちになる。」
Bさん「プレゼン中の話者はgreat career(立派な仕事)とgood career(そこそこの仕事)があり、後者はなくなりつつあると言っている。でも、私の意見ではgreatになる過程でgoodがあると思う。」
Cさん「興味があることはやっているが、情熱をもってやってないなあ。。。と考えさせられた。」

強烈な動画だけに、Negativeに感じる方がいる一方、刺激的だと感じる方がいて、感じ方が異なるようでした。

②について
みなさんの夢は何でしたか?
Aさん「サッカー選手」
Bさん「弁護士」
Cさん「ピアニスト」「獣医」
「ライオン」「野球選手」「通訳者」

さて、昔の夢は出揃いました!では達成しましたか?
Aさん「サッカー選手×
Bさん「弁護士×
Cさん「ピアニスト×」「獣医×
「ライオン×」「野球選手×」「通訳者×

オール×
それは、やなかったから?やなかったから?

Aさん「サッカー選手」→能力的に判断してCouldn't。周りの選手をみて自ら適切な判断を行なったという意味ではdidn't。
Bさん「弁護士」→長文を書く能力がなかったと自覚し、あえて努力をしなかったのでdidn't。
Cさん「ピアニスト」「獣医」→興味はあったが、情熱はもって取り組んだわけではないのでdidn't。
「ライオン」「野球選手」「通訳者」→ライオンは生物的にムリ、Couldn't。

親からの圧迫があって望みを捨てたとかではなく、適切な自己判断や興味程度だったのであえて取り組まなかったという感じでしょうか。

③について
辞書的定義は以下のとおり。
passion:はげしく燃え立つ感情。何かに取り組みたいという強い思い。
interest:知りたい学びたいと思うこと。

みなさんの定義・イメージは?
passion:無意識のうちに取り組みたくなるもの。Loveをもって取り組めるもの。吸収したいと思えるもの。
interest:興味とは始めは単なる関心にすぎないが、いつかpassionに変化する候補者である。数うちゃ当たる、から考えれば、興味を複数もっていればいつか情熱に結びつく。複数の興味において共通項がみつかったとき、それこそが自分の本当にやりたいことかもしれない。


本当に自分があるべき姿、なりたい姿というのは頭でイメージできても、それを具体的に現実世界に落とし込んで実現するとなるとなかなか簡単にはいかないのだと思います。
Easier said than done.(言うは易し行うは難し)


【プレゼン】for 5min
他のグループの流れは
●動画の印象的な話は?
●あなたに情熱をもたせてくれるものは?
といった感じでした。

いくつも興味深い話をしてくれたのですが、個人的に面白かった議論をここでは2つ紹介。

人間をガソリン車に例えた話
自分が車とすると、passionというガソリンを燃料にしている。
走行中にガソリンが切れてくるのと同様に、人間の情熱も時間の経過に伴い小さくなっていく。
そこで、ガソリンスタンドとなるもの、人間でいえば発展途上国での凄惨な状況をみた経験だったり、刺激的な話を聴いたり、印象的な動画をみたり、なにかの文献を読んで鼓舞されたりといった、いわば給油点が存在するからまた走り出すことができる。
ガソリンを入れるだけでは、なにも起こらない。
走る、つまり行動を起こして初めて機能するのである。

何がモチベーションになるか
「 家族を落胆させたくない」と「家族の幸せな笑顔がみたい」というのは、モチベーションが似てるようで違う。
しかし、これらは、「ネガティブ面を打ち消す」か「ポジティブ面をつくる」かの違いである。
つまり、アプローチの違いであって、つまるところ目的は「家族の幸せ」であることに変わりはない。


今回は、言い訳、情熱、興味、と盛りだくさんでした。
情熱をもってやっているときでも、やっぱり言い訳はしたくなります。だって、、、

今日の参加者のみなさん、そして、相田みつをさん、遠路はるばるありがとうございました!
次回のTEDee@Ujiも皆様の参加をお待ちしております♪

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*TEDee@宇治は毎週木曜の19時半から20時半まで京大宇治キャンパス内で行っています!
次回開催は12/13()です。みなさんのご参加をお待ちしています。
アップされているTEDの動画を見てみるだけでも良いので、まずはチャレンジしてみてください!

*We hold TEDee@Uji every thursday from 19:30-20:30 in Kyoto University Uji campus.
Next TEDee@Uji is going to be held on December 13th(Thursday).
I'd like you to just watch TED clip we upload on FB page and probably you'll catch something interesting from that!

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【告知】TEDee忘年会2012の開催について

年の瀬も近付いてきたこともあり、12/15 (Sat) に四条界隈でTEDeeKyoto主催の
忘年会をします!!TEDeeを通じてつながった輪をもっともっと広げませんか??

みなさんのお越しをお待ちしておりますm(__)m
詳細は以下のリンクを参照してくださいね★
Event link | http://www.facebook.com/events/389621517779395/

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2012年12月3日月曜日

22nd 朝TEDee@Antenna Cafe丸太町

みなさん、紅葉の見頃も終わりを迎え、すっかり寒くなってきましたがお風邪など召していませんでしょうか??
朝活担当の谷森です(*^_^*)今回も、栗原君に朝活の様子を報告してもらいます!



朝活に参加させていただいた栗原が、その報告をさせていただきます。 

今朝は、2グループでのディスカッションとなりました。
 

今日の動画は、「誰もがすでにサイボーグ」。

 
インターネットをはじめとする様々なテクノロジーの発展に伴い、人類のロボット化が叫ばれる今日ですが、話者はそうした意見を否定し、むしろ人類はより人間味を増しているのだと主張しています。

インターネット、特にSNSなどにより、意思疎通は厚みを増しており、このおかげでより人間的な営みが可能となっているという言い分です。
 

以下、私のグループでのディスカッション内容をお伝えします。
 

1点目は、SNSにおける第二の私という点について考えました。

 

SNSにおいて、人々は自身の生活の良い側面だけを見せようとするところがあります。

これに関して、グループの中のメンバー全員に思い当たる節があったようです。

「今日はごみを拾って気持ちよかった」という投稿はあっても、「ポイ捨てしたが誰も見ていなくてよかった」という投稿はまずないと思います。

だから、SNSにおいては「万人が善人」に見えるのです。

結論として、SNSでの私は本当の私を反映していない、ということでした。

 

 

2点目は、人間はロボット化しているのか否かという点について考えました。

 

メンバー全員が、ロボット化していると感じているようでした。

人間は、より多くの時間を携帯電話などに費やすようになり、テクノロジーの僕となっているということや、対面して話す機会が減っているということなどが理由に挙げられました。 

もう一つのグループでは、情報の氾濫に伴い、自分自身について考える時間が減り、そのために就職活動においても変化が起きている、ということなど、様々な興味深い結論が出ていたようで、充実したディスカッションをされていたようです。 

 

これは余談なのですが、ディスカッション終了後、入力切替の最中に、スクリーンにSNSについて取り上げた番組が映し出されました。

そこでの議論の中で興味深い話が出てきました。

SNSの悪い点ばかりを取り上げて人々を怖がらせる報道ばかりだ。もっと違う視点を持った報道が必要だ」

確かに一理あるなと思いました。 

それでは、冬至が近づいており、寒さが増すこの頃ですが、体調には十分お気を付けください。
失礼します。

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栗原くん、今回も有難うございました!
さて、TEDeeKyotoは12月15日に、なんと!!!
忘年会を開催します(^^)/TEDeeに何度も来てくださっている方も、まだ来たことのない方も、大歓迎です!詳細は以下のページをご覧ください☆
http://www.facebook.com/home.php#!/events/389621517779395/


今週のTEDee!
■ 12/5 (Wed)
35th TEDee@Kyoto Univ.
Topic | The Puzzle of Motivation (やる気に関する驚きの科学)
Event link | https://www.facebook.com/events/397913890288366/

■ 12/6 (Thu)
19th TEDee@Uji
Topic | Excuse!! (言い訳)
Event link | https://www.facebook.com/events/116475471850054/?suggestsessionid=1000008940591911354268033

■ 12/7 (Fri)
TEDee@Katsura
Topic | Laws that choke creativity(創造性を圧迫する法律)
Event link| https://www.facebook.com/events/220577591407775/

それではまた来週お会いしましょう!